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5.4.1.2 寛解後療法

完全寛解になり正常の血液細胞が回復しても、患者さんの体内には、白血病細胞が残っ ているため、治癒させるためにはさらに治療が必要です。寛解後療法には、導入療法と同 じ程度の強さの治療をする地固め療法と、退院後外来通院中に行う維持・強化療法の二つ があります。治癒を得るためには、3−4コースの地固め療法と1〜2年の維持・強化療法が必須である ことが経験的に判っています。白血病に特徴的な遺伝子をRT-PCR法という最新の方法で増 幅することにより、患者さんの体内に残存する微量の残存白血病細胞を$10^{6}$個レベルまで 検出することができます。その結果、寛解後1年半頃まで$10^{6}$個レベル以上残存している 白血病細胞が維持・強化療法により検出限界以下にまで減少することが判り、経験的に必 要とされていた寛解後療法に科学的根拠が与えられました。治癒を得るには、顕微鏡だけで決める形態学的完 全寛解では不十分であり、異常遺伝子の見つからない分子生物学的完全寛解が必要です。 なお、骨髄移植療法は最強力の寛解後療法と言えます。



愛知県がんセンター 病院長 大野竜三
小牧市民病院血液内科 市橋卓司